「自己破産の手続きを進めていたら裁判所に呼ばれた!」
「免責審尋ってなに?実際どんなことをするの?」
「裁判官にはどんなことが聞かれる?注意した方がいいことはある?」
こんな疑問に対して、この記事では私の自己破産した際に体験した免責審尋の様子をお伝えします。
自己破産の手続きが進むと「免責審尋」といって、裁判所に呼ばれることがあります。
裁判所で裁判官と直接面談をして、自己破産を認めていいか確認されるものです。
しかし、裁判所によっては直接面談せず、書面だけで終わりのところもあれば、大きい裁判所では自己破産を申請した人を一度に集めて面談するものもあります。
私が自己破産した時は、書面ではなく裁判官との直接面談でした。
今回この記事では、私と同じように自己破産の手続きで裁判所へ呼ばれて、裁判官との面談になる方へ向けて、免責審尋の流れや質問されたこと、裁判所に行く上で気をつけるポイントを紹介します。
目次
裁判所に免責審尋で呼ばれたタイミング
私が免責審尋のために裁判所に呼ばれたのは、自己破産の申し立てをしてから3ヶ月後でした。
時系列でいうとこんな感じです。
- 12月初旬:裁判所へ自己破産の申し立て
- 1月中旬 :裁判所から免責審尋の日程の連絡
- 3月中旬 :裁判所で免責審尋
私は弁護士に依頼していたので、自己破産の申し立てや裁判所との連絡のやり取りは弁護士が代理でやってくれています。
破産の申し立てから免責審尋の日程の連絡がくるまでも申し立てした際に提出した書類の内容について、弁護士から確認の連絡が入っていました。
おそらくこの確認が全て完了した段階で、裁判所から免責審尋の日程の連絡がきたのだと思われます。
そして免責審尋の日は決め打ちではなく、2つの日程から選ぶことができました。
しかし両方とも平日の午前中でしたので、会社は休んで行きました。
ちなみに私は、自己破産時は車や家などの財産となるものは一切なく、貯金もほぼ0だったため、“同時廃止事件”という扱いになっています。
裁判所での免責審尋の流れ
裁判所は普通に生活していたら縁遠い存在ですよね。私も自己破産の時に人生で初めて裁判所にいきました。
そんな初めての場所で行う裁判官との面談で自己破産できるかどうか決まるので、とても緊張したのを覚えています。
https://twitter.com/SakiSono/status/1189475103223906306
これから免責審尋に臨むあなたの緊張が少しでも和らぐように、ここでは裁判所での免責審尋の当日の流れを紹介します。
1. 弁護士と法廷前に開始10分前に待ち合わせ
弁護士とは免責審尋が行われる法廷の前、免責審尋が始まる時間の10分前に待ち合わせでした。
遅れたら自己破産の許可がおりなくなるかも…と思ったので、始まる30分前には着くようにしました。
結構早く着いた自信があったのですが、法廷の前にはすでに弁護士が待っていました。
法廷前には椅子があって、そこで時間になるまで待っている感じです。
人生初めての裁判所、これからの面談で自己破産できるかどうか決まる…というプレッシャーの中で、裁判所に着いた時にはすでにかなり緊張していました。
それまで弁護士に対して強い思い入れはありませんでしたが、見知った人の姿を見つけて自分の味方がそこにいるというだけでかなり安心しました。
私は特に緊張しやすいタイプなので、1人で待っていたらドキドキしすぎて待ちきれなかったと思います。(ただ、弁護士とは何も話すことがなくて沈黙が辛かったですが笑)
2. 法廷で免責審尋開始
時間になり、弁護士に連れられて法廷に入りました。法廷はいわゆるテレビでみる法廷そのものでした。
免責審尋はどうやら私1人だけではないようで、もう1人年配の男性も法廷に入ってきました。その人には弁護士はおらず、1人で来たようでした。
その男性と私と弁護士はまず傍聴席に座りました。そして裁判官がやってきて裁判官の席に座りました。
どうやら順番に面談になるようで、まず男性が呼ばれて質問されました。
「これって個人の事情だし聞いていいものなのかな?!」と思ったので、裁判官と男性とのやり取りは聞かないようにしていたのと、極度の緊張でどんなことを聞かれていたのか全然入ってきませんでした。
男性が終わると私が呼ばれて、証言台に向かいました。この時、弁護士は私から少し離れた弁護士の席に移動します。
急に1人になり(本当は弁護士が何かあればサポートしてくれるのですが)、心細くなって、緊張で足が震えました。
そんな私の緊張はお構い無しに、裁判官に淡々と質問され、それに答えて終了でした。
時間にしては10分程で、「あれ…もう終わったの?」というのが正直な感想でした。
3. 弁護士から連絡事項があって解散
法廷を出て、弁護士から「問題なければ2週間くらいで結果が出ます」と言われました。
意外と早く結果が出るんだなと思いながら、弁護士に「最近はどうですか?」と聞かれ雑談しました。
余談になりますが、私を担当してくれた弁護士は熱血タイプからは程遠い淡々としたタイプでしたが、色々とよくしてもらいました。
『1.借金のキッカケ:ある日母に言われた突然の言葉「お金を貸してほしい」』でも書いていますが、私の借金の原因になった母は、借金で精神をすり減らしてしまいましたが、その母の心の状況やこれからの生活についても心配していただきました。
母は、父の名義で多額の借金をしたため、父は借金を任意整理することになったのですが、当時父は母を訴えると喚いていたのです。
そんな父をなだめて、大事にしないよう取り計らってくれたのもこの弁護士でした。
仕事が忙しいということを理由に、自己破産の手続き書類を全然提出しない私を見放さず、結果的に1年半も付き合ってくれた弁護士には感謝しかありません。
世の中には悪徳弁護士もいますが、自分に合う弁護士は必ずいますので、『自己破産に強いおすすめの弁護士』で書いている通り、相性の良い弁護士を探すのはとても大事なことだと感じました。
裁判所での免責審尋の質問内容と、実際に経験して感じた注意点
免責審尋で実際に質問されたことは下記の3点でした。
- 住所などの個人情報は合っているか
- 自己破産の申請書類の内容は合っているか
- 自己破産後はどう生きていきたいか
個人情報や申請書類の内容に誤りがないかについては聞かれるだろうと思っていたのですが、自己破産後どう生きていきたいかについて聞かれた時は正直びっくりしました。
私の場合は、前日に弁護士から自己破産の申請書類について一通り全て目を通していたので、それに沿って矛盾のないように回答しました。
申請書類に関する情報は全て私が弁護士に伝えた内容がベースですが、適宜不備があった場合は弁護士から確認が入ります。
都度回答している上に、手続き期間も決して短くはないので、なんと答えたかあやふやになることもあります。
また弁護士が言い回しは調整してくれていたりするので、答え方によっては違う印象を与えかねないと思い、裁判官への伝え方は申請書類の書き方に合わせるようにしました。
これについては、免責審尋終了後の弁護士との雑談で、「申請書類を読み込んだんですか?」と驚かれました。
ここまではやる必要はないかもしれませんが、免責審尋の受け答えや態度によっては自己破産が許可されないこともありえます。
また、私が予想しない質問をされたように何を聞かれるかはわかりません。
今までの労力を無駄にしないためにも、何を聞かれても矛盾のない回答ができるように、免責審尋の前には弁護士が渡してくれた自己破産の申請書類一式には目を通しておくことをおすすめします。
裁判所での免責審尋に行く上でちょっと気になったこと
これは補足ですが、免責審尋に臨むにあたって私が気になったことをまとめました。
ちょっとしたことですが、前日にとても不安になったので、よかったら参考にしてください。
Q. 免責審尋の服装はどんな格好でいったか?
弁護士からも特に指定はなく、普通の格好で行きました。
普通とはいっても、Tシャツにジーンズ、サンダルで行くのはどうかなと思うので、あくまでオフィスカジュアルな格好です。スーツまでは着ませんでした。
私と一緒に免責審尋を受けていた男性も特にスーツなどは着ておらず、よそ行きの格好という感じでした。
Q. 免責審尋の持ち物で必要なものはあるか?
弁護士からは、書類返却のために印鑑を持ってきて欲しいと指定がありました。
ただ、法廷に入る上で何か身分証明書などの提出は特に指示されませんでした。
私の場合は弁護士に依頼していたので、免責審尋で必要な持ち物は弁護士が用意してくれていたのだと思います。
弁護士に依頼している場合は、弁護士から指定された物だけで問題ないです。
私は念のため事前に、弁護士に何か持っていく必要がある物はあるか確認しました。
まとめ
以上、私が自己破産の時に体験した、免責審尋の様子についてお伝えしました。
突然裁判所に呼ばれるとドキドキしてしまいますよね。実際、裁判所での裁判官との面談はとても緊張します。
ただ、裁判官もあなたを責めてやろうという気はないはずですので、この記事でぜひ免責審尋のイメージトレーニングをして落ち着いて臨んでください。
借金を整理することを決意して、ここまで手続きをしっかり進めてきたならば完了まであと少しです。
あなたが人生をやり直して、明るい未来を手に入れることを応援しています!